歯周病治療
歯周病治療について
歯周病は、歯を支えている骨や歯茎が無くなってしまう病気です。
支えがなくなるため、歯がグラグラになり悪化すると抜かなくてはなりません。
幸か不幸か痛みを感じることが少ないため、自覚症状があまりありません。歯周病の原因は、歯周病菌とそれに対する自分の遺伝子、環境によって決まります。
それに噛む力が加わると加速度的に悪化します。
歯周病の治療は、3つに分けられます。
- 原因除去(細菌の除去)
- 環境の改善(細菌が生息しやすい環境を極力直す。歯にかかる力のバランスを整える)
- 定期検査(治療した状態を維持する)
状態が悪化してしまった場合でも、以下の治療法を実践すれば歯を残すことも可能です。
- Fop(歯周病の手術です。状態に応じて様々な種類のものがあります。)
- GTR法(膜を使った歯周組織再生療法です。)
- エムドゲイン(タンパク質を使った歯周組織再生療法です。)
- 抗菌療法(精密な細菌検査を基に、抗生物質により歯周病菌を除去します。)
- 3DS(マウスピースと薬を使って歯の周りの細菌を効果的に除去します。)
歯周病の細菌が、全身の健康を脅かすことが多く報告されています。
全身の健康を維持する上でも、歯周病を治療しておくことは大切です。
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より解りやすい歯周病治療
歯周病の治療を解り易く説明してみましょう。
歯周病の治療は、(1)原因除去、(2)環境整備、(3)メインテナンスの3つに分けられます。
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1.原因除去
歯周病は、歯周病菌によって歯茎が炎症を起こしています。
これは宇宙人の侵略によって、家が火事で燃えているような状態です。
先ずやらなければならないことは、宇宙人(歯周病菌)を倒して、火(炎症)を消すことです。
宇宙人(歯周病菌)を倒すには、第一に物理的排除(歯磨き、スケーリング等)、第2に化学的排除(抗生物質、消毒剤等)が大切です。排除が難しい宇宙人(歯周病菌)に対しては、より強力な武器(手術)が必要です。宇宙人(歯周病菌)を家が耐えられる(生体の許容できる)範囲内まで減らせれば、家は守れます。(体は治癒の方向に向かいます。)つまり、歯周病菌さえ少な
出来れば、歯周病は治癒します。 -
2.環境整備
火を消しても、家には、焼け焦げた柱や屋根が残っています。
このままでは、新たな宇宙人の攻撃や地震に耐えることができません。
家なら、家の全てを新しい素材に入れ替えて新築にすることも可能です。
しかし、人の体はリフォームしかできません。
リフォームする場合は、残った柱が使えるのかどうかを判断し、使える場合はそのまま利用し、使えない場合は排除します。柱が少なくなった分は、新しい柱(インプラント)を立てるか、他の柱と結んで(ブリッジ)耐震強度を強化する必要があります。
理想的なリフォームをし、宇宙人(歯周病菌)からの侵略や地震(歯ぎしり)に耐えられる状態にしておけば、再び攻められても安心です。(再発の可能性が下がります。)つまり、歯周病菌を除菌できたとしても、減ってしまった骨はそのままです。飾っておくだけなら大丈夫なのですが、また噛めるようにするには、新たに補強してあげなければなりません。さらには、新たな細菌の侵略にも十分対応できるだけの状態にしておかなければならないのです。 -
3.メインテナンス
人間の作ったものは、作ったときが一番良く、時間と共に崩壊していきます。
どんな高価な家や車も時間と共に崩壊していきます。
ただし、家も車もちゃんとメインテナンスをしていれば、それだけ長い期間良い状態も保つことができます。
お口の中も同じことが言えます。
宇宙人(歯周病菌)の侵略が起きていないかどうか確認し、もし起きているようなら被害が小さいうちに対処してしまう。
地震(歯ぎしり)により、柱(歯)が壊れていないかどうか確認し、もし壊れているようなら被害が小さいうちに対処してしまう。
このメインテナンスをしっかりしておけば、2度と同じ過ちを犯さずに済むのです。
家や車は、買い替えができますが、自分の体は1つしかありません。
メインテナンスを徹底しすぎることはないのです。
歯周病は決して、何かの薬を塗ったり、飲んだりすれば治る病気ではありません。
とにかく、歯周病の治療は基本的なことを、順を追って、患者さんと歯医者さんの協力のもとに治療していくことが大切なのです。
状態1 | 状態2 | 状態3 |
火事で燃え、地震で崩れそうになっています。黒い宇宙人により攻撃されています。 | どうにか火事を消しとめ、宇宙人を追い払うことができましたが不安です。 | 宇宙人が攻撃しづらく、地震にも強くなったため、後はSPTをすれば安心です。 |